小松市立 空とこども絵本館

 石川県小松市の「空とこども絵本館」からライブラリーカレンダーのオーダーを頂き納品に行って来ました。納品に伺うまでもなくお送りしても良かったのですが、この図書館の建築とインテリアそして図書館としてのシステムを是非とも見ておかなくてはと思ったので伺う事にしました。 この図書館のユニークなところは、1931年に石川県営繕部の中宮勝二氏が設計した小松警察署の外壁をそのまま内部を新たに設計した事にあります。外壁が当時のままであるばかりではなく、インテリアの部分々に当時の真鍮飾りが利用されていたり新旧がとても自然な形で融合されていたのには想像以上で感激しました。 行政の箱物にありがちな創っておしまいではなく、ここの図書館としてのシステムが、とことんこどもを中心に細部にわたって考えられている事です。ここにはスリッパがありません。その意味は、赤ちゃんがハイハイしても衛生的であるようにとの事で、床は磨き上げられ全館床暖房されていました。トイレも自主性を重んじて子供のスケールに合わせた設計になっており、オモラシしても心配ないようシャワーも完備されていました。授乳室やミルクのためのお湯の用意までされていて、場所が指定されていますが飲食もOKです。 そして本来の目的である絵本は言うまでもなく質量とも充実していました。ここまでには6年にも渡る市民と行政側とのコミニュケーションがあったからこそで、職員の方々の子供に対する愛情が表面的なものではない事が伝わって来る館内には温かな気持ちが流れており、来館していた親子がとても豊かな表情をされてました。建築に関心がある人ばかりではなく、図書館の関係者の見学があればいいなと思うと共に、そのような図書館にクラフトバンの物が納められた事を幸せに思いました。