木鳥の記念撮影

 木鳥が沢山完成しました。これらの鳥は時計にとまったり額の横にくっ付いたり、あるいは鳥だけで全国各地に飛び立って行きます。同時に生まれた仲間ですから全員木にとまって記念撮影する事にしました。こうして一堂に会すると同じ型から出来たと思えぬほどそれぞれ個性があります。目の位置が違ったり尾の跳ね返り具合が違ったり、くちばしの大小があったりこれが手作りの良さと言う事なのでしょうか。 ここからはもう千羽以上が巣立って行きましたが、先日、初期のそれこそ制作数百羽にも満たない頃の鳥に再開しました。永いお付き合いになる植物学者の別荘にお招きを受け、伺うと窓辺にその鳥がいました。技術の未熟さばかりが目につき持って帰って削り直したい思いでしたが、そこに20年近くを過ごした重みは、もはや私の手から完全に離れその場所の主と化しておりました。訪ね来る人々が手に取り自然に磨かれた艶は貫禄さえ感じます。そのような鳥が全国にあると思うと嬉しくなってしまいます。さてさて、今回の記念撮影に参加した鳥達はどんな人の所に行くのだろうか楽しみです。