西田幾太郎記念哲学館

石川県で唯一の安藤建築、西田幾太郎記念哲学館にも立ち寄りました。建築誌に紹介されている哲学館の写真は、階段下から仰ぎ見たショットで画面上部は真っ青な空そしてコンクリートにガラスの箱、広大な印象をあたえる写真で是非その空間体験をしたいと思っていましたが、実際にその場に立ってみて、写真を見て想像していたものとのギャップが大き過ぎました。建築写真のマジックです。 安藤忠雄の建築は数多く見て来ましたが、そのほとんどが見せたいアングル発見率が高いのです。しかしこの哲学館はここが見せたいスタンドポイントと言う場所がなかなか発見できませんでした。やはり写真で見たアングルが唯一のベストポジションでしょう。 安藤建築で体感する少し移動するとまったく印象の異なった空間が出現する楽しさがあるのですが、残念な事にあまりのも素直過ぎる構成は少々退屈でした。もう一つ気になった事、いったいこの巨大空間を年間何人の人が訪れ何人が利用しているのだろうか。小松で見て来た図書館と比較して建築に求められるものは何なのかと、疑問を投げかけさせてくれた場所でした。 帰路は少し遠回りをして能登自動車道で日本海を左手に眺めつつ北上し七尾市に出て、今度は春の日を受けて輝く富山湾を眺め気持ちのいいドライブを楽しんで帰って来ました。短い旅でしたが、三ケ所のそれぞれ個性的な建築を観る事が出来て中身の濃い2日を過ごせました。