道具考-4

 今日は友人の金属工芸作家の工房に遊びに行って来ました。素材が違えばおのずと工作する道具も特殊なものがあり、それらを眺めるのは楽しいものです。それらの使い方の説明を受ける事はより楽しく、実際に手をくだして工作を見せてくれるのはその上を行く楽しさです。子供の頃大工や左官の仕事を飽きもせず見続けていたように無条件で楽しいのです。ついつい時間を忘れ長居をしてしまいます。 彼は鍛金の作家で金属を叩いて成形するのが仕事ですからハンマーと金床が命の道具です。写真のように様々な形状のハンマーを駆使して小さなペンダントトップから花器やランプシェードのような大きな物まで叩いて成形します。 それはマジックです。そのマジックの立役者がハンマーなのです。そのハンマーの多くは彼の自作なのも驚かされます。白色のポリカーボネート製の物は全て自作だそうです。ハンマーはこの他に大きさやヘッドの素材の異なったものがワンサカあり見飽きる事はありません。 金床も重要な道具ですが、これはまさしくアートだねと言う形状のものが多々あり次回に紹介したいと思っています。金床と言えば彼の工房にも私と同じようなレールの金床がありました。ただ一つトップがピカピカに研ぎ上げた状態になっていたのが私のと大きな違いでありました。整然とレイアウトされた道具と整頓された工房からは制作に向かう真摯な姿勢が伝わって来るのです。